日経NETWORK 2月号 スマホのなかみ

スマホの通信速度どんどんと高速化し、この6年で約40倍の速さになった。
そこで、その秘密を探るため、iPhone 6を分解し、どのような部品がどう働いているかを紹介する。

■Part.1 スマホのなかみはどうなっている?
・iPhone 6には複数の無線機能が搭載されており、モバイル通信、無線LAN、Bluetooth、GPS、NFCなどが存在する。
・モバイル通信において、現在国内で主流となっている最新規格が4Gの「LTE(Long Term Evolution)」である。
・LTEは国や地域、モバイル通信事業者により、異なる周波数帯(バンド)を使っており、1台で多くのバンドに対応するため様々な工夫がされている。
・通信に関連する部品はL字型の基板に並んでおり、表面と裏面の両方に主要なチップが取り付けられている。
・部品の数や種類を無線機能別に比較すると、モバイル通信向けの部品がほとんどを占めている。
・モバイル通信を構成する部品の多さは、通信距離に比例している。
・モバイル通信関連の部品で特に数が多いのは、「パワーアンプ(PA)」と呼ばれる部品で、送信信号を増幅して遠くまで電波を届ける役割を担っている。
・端末から基地局までの距離と、多くのLTEバンドに対応するため、それぞれのバンドに対応したPAが数多く搭載されている。

■Part.2 送信 ~多バンドと高速化にチップの進化で対応~
・スマホの送信処理を行う構成要素は以下の5つで、処理に沿ってそれぞれの主な役割を記載する。
 ①ベースバンドプロセッサー
  →IPパケットなどのデータを、電波に載せる信号に加工する部品。
  →ここで作られる信号を「ベースバンド信号」と呼び、送信時はIPパケットからベースバンド信号を生成する。
  →ベースバンドプロセッサーの構成アーキテクチャには大きく2つに分けられ、ベースバンドプロセッサーとアプリケーションプロセッサーを統合した1チップ構成とそれぞれ個別のチップとして搭載するパターンがある。
 ②RFトランシーバー
  →ベースバンド信号を高周波信号に変換する部品。
  →LTEでは、データ通信の高速化と信号劣化抑制を調整するため、変調処理をベースバンドプロセッサーと連携して行う。
 ③フィルター
  →モード(方式)やバンド、事業者ごとに、必要な周波数成分のみ通過させ、不要な周波数成分を遮る部品。
  →近年、バンドがどんどん増加しているため、1つのフィルターで対応するバンドの数が増えている。
  →今のスマホでは電気信号を機械的な振動に変えるという「SAWフィルター」が主流であるが、高い周波数に対応しづらいという課題が出てきたため、現在は「BAWフィルター」と呼ばれる高い周波数に対応したフィルターがある。
  →ただし、BAWフィルターは製造コストが高いため、低い周波数では今後もSAWフィルターが有効である。
 ④パワーアンプ(PA)
  →遠くの基地局まで届くように送信信号を増幅する部品。
  →スマホのなかでは、ディスプレイの次に電力を消費するため、「エンベロープトラッキング」という仕組みにより、信号の強さに応じて、必要な分の電圧でPAを起動する。
 ⑤アンテナ
  →電波を送信したり受信したりする素子。
  →iPhone6では、きょう体の全部が金属のため、内臓するタイプのアンテナ素子が使用できない。そこで、きょう体の一部をアンテナとして使用している。

■Part.3 受信 ~多数の搬送波を使って高速伝送を実現
・スマホの受信処理を行う構成要素のうち、受信処理独自の2つを見ていく。
 ①アンテナスイッチ
  →アンテナはサイズやデザインの制約により、多くを搭載できないため、接続を切り替える部品。
  →バンド数の増大により、アンテナスイッチの回路は複雑化し、受信感度が落ちているため、少しでも損失を減らし受信感度を落とさない工夫として、周辺の部品にはより高い品質が求められる。
 ②デュプレクサー
  →送信信号と受信信号を混合しないようにし、同時に送受信を可能にする部品。
  →LTEでは主に「FDD」と呼ばれる送信と受信を周波数で分ける方法が採用されており、1つのアンテナの場合、周波数の異なる送信信号と受信信号を分離する役割をもつ。

普段何気なく使用しているスマホについて、そのなかみや送受信の仕組みの一部を覗くことができた。
ただ、今使用されているスマホも時が流れるにつれ、スマホに使用されている部品や技術がどんどん進化し、次々新しく変貌を遂げていくことが十分に予想される。
そこで、今後どのような技術が発展し、その技術がどのようにしてスマホに使われ、どうスマホが進化するのかを知るためにも、いろいろと調べてみたいと思った。


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